Eurekaユリーカ「こうありたい」を、ともに見つけ、ともに叶える。ご相談について ↗

日本で大切に
使われたものを、
次の子どもたちへ。

ランドセルを背負った子どもと、目線を合わせてハイタッチする梅田

全国から寄付していただいた文房具やランドセルを、東南アジアを中心とした海外の子どもたちへ、直接手渡しで届けています。

私は2024年から、NPO法人JIYUの「POSTMAN」活動に参加しています。現在は評議員として、現地での活動に加えて運営にも携わっています。

NPO法人JIYUの公式サイト ↗
贈呈式に並べられたランドセルや文房具と、現地の皆さん
日本から届けたランドセルや文房具。タイ・バンパライ村の贈呈式にて。

届けに行った先で、
教わった豊かさのこと。

01現地での経験を読む届けに行った私が、教わって帰ってきました。

届けに行った私が、教わって帰ってきました。

初めて訪れたのは、タイのバンパライ村。電波も入らないような場所でした。

正直に言うと、出発前の私には「ランドセルを届けてあげる」という、少し上から目線の気持ちがありました。けれど、現地で過ごすうちに、学ばせてもらっているのは自分の方だと気づかされました。

ノートを囲む子どもたちと、同じ目線で交流する梅田
ノートを囲んで、子どもたちと過ごす時間。

村では、人々が集まって仕事をしたり、井戸端会議をしたりしていました。子どもを育てるのも、その子の親だけではありません。村全体で子どもたちに関わっている。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で見たような、ご近所付き合いがそこにはありました。

日本では、隣に誰が住んでいるのかさえ分からないこともあります。そんな暮らしに慣れていた私には、人と人との距離が近い村の光景が、とても印象的で、新鮮でした。

誰かと緩くつながっていて、いざというときには頼れる。「何かあっても、一人じゃない」と思えること。

それは、お金がいくらあるかとは別の、豊かさや安心なのだと感じました。

現地の方と一緒にコーヒーを淹れる梅田
現地の方と、コーヒーを淹れるひととき。

それまでの私は、ファイナンシャルプランナーとして「いかにお金を残すか」「どちらの利回りがいいか」「コストを抑えられるか」に目が向いていました。

もちろん、数字は大切です。でも、その人がどんな毎日を送り、誰と、どう生きていきたいのかが見えていなければ、お金の話だけをしても、本当に望む豊かさには届かないのかもしれません。

まず、その人にとっての豊かさを知る。そして、それを実現する手段として、お金をどう役立てるかを考える。

ランドセルを届けに行った先で、私は、自分の仕事で大切にしたい順番を教わりました。

02この活動に込めた思いを読む今も、これからも、支え合える関係へ。

届け合うことで、気づける豊かさがある。

ランドセルや文房具を届けた先で、子どもたちに「こうなってほしい」と、大きな願いを託すのは少し違う気がしています。彼ら、彼女らには、それぞれの人生があります。

私たちとの出会いが、その人生にとって、ほんの一滴のスパイスになっていたら嬉しい。遠くに住む誰かが自分のことを思ってくれたこと、人に喜びや感動を届けられること。その素晴らしさに触れる、小さなきっかけになれたらと思っています。

そして私は、海外へ物を届けるこの活動を通じて、日本で暮らす私たち自身にも向き合っています。

食べたいものを選べる。観たい映画を、好きなだけ観られる。日本で暮らす私たちの周りには、たくさんの選択肢があります。

自分が何を望んでいるかが分かり、それをもとに意思決定できるなら、選択肢の多さは、自分に合ったものに出会える可能性を広げてくれます。

でも、「自分はどうしたいのか」が分からないままでは、選択肢が増えるほど迷ってしまう。「みんなが選んでいるから」「こちらの方がよさそうだから」と選んでも、自分が満たされるとは限りません。私自身にも、そんなところがありました。

選択肢がどれだけあるか。そして、その中から、自分で納得して選べるか。私は、この二つが幸せの感じ方に関わっていると思っています。

私が訪れた地域には、今日の食事をどう手に入れるか、生きていくための選択肢が限られた暮らしもありました。

私たちは「何を食べよう」「何を買おう」と、たくさんの選択肢の中で迷います。でも、今日食べられるかどうかが切実な毎日では、ご飯を食べられたこと自体が、大きな喜びになる。朝、目が覚めて、今日も生きている。そのことの重みが、私たちとは違うのだと感じました。

暮らしの厳しさを目の前にしながら、人と笑い合う姿にも触れて、私は考えさせられました。選べるものがたくさんある自分は、今ある幸せを見落としていないだろうか。

今日も家族と笑えた。今日も一緒にご飯を食べられた。

当たり前になっていたその時間を、私はどれだけ大切にできていただろう。

今ある幸せを確かめたうえで、「自分はこれから、どう生きたいのか」を考え、自分の意思で選んでいく。

寄付してくださる方にも、一緒に現地へ行く方にも、この活動が、自分にとっての豊かさを見つめ直し、これからの選択を自分の手に取り戻すきっかけになれば嬉しいです。

今も、これからも、支え合える関係へ。

今、日本にある物や技術、人の力を、必要としている場所へ届ける。その一方で、私たちも、現地の人たちから多くのことを受け取っています。

将来、日本の側が、今よりも助けを必要とすることもあると思います。そのときに、かつて出会った人たちと「今度はこちらが力になるよ」と言い合える関係が続いていたら、こんなに嬉しいことはありません。

その時々で、持っているものを持ち寄り、足りないところを補い合う。日本と現地の人たちが、今も、これからも、手を取り合える関係を育てていきたいと思っています。